geqrf_batch (グループバージョン)

m 行 n 列の一般行列バッチの QR 分解バッチを計算します。このルーチンは、oneapi::mkl::lapack 名前空間に属します。

説明

このルーチンは、 m 行 n 列の一般行列 A_i、iϵ{1...batch_size} の Q_iR_i 分解を形成します。ここで、batch_size は、group_sizes 配列で提供されるすべてのパラメーター・グループ・サイズの合計です。因数分解中にピボットは実行されません。

このルーチンは行列 Q_i を明示的に形成しません。代わりに、Q_i は min(m, n) 個の基本鏡映子の積として表されます。この表現で Q_i を操作するルーチンが提供されています。

解決する問題の合計数 batch_size は、group_sizes 配列によって提供されるすべてのパラメーター・グループのサイズの合計です。

API

構文

namespace oneapi::mkl::lapack { 
  sycl::event geqrf_batch(sycl::queue &queue, 
  int64_t *m, 
  int64_t *n, 
  T **a, 
  int64_t *lda, 
  T **tau, 
  int64_t group_count, 
  int64_t *group_sizes, 
  T *scratchpad, 
  int64_t scratchpad_size, 
  const std::vector<sycl::event> &events = {}) 
}

この関数は次の精度とデバイスをサポートしています。

T	デバイスサポート
float	CPU および GPU*
double	CPU および GPU*
std::complex<float>	CPU および GPU*
std::complex<double>	CPU および GPU*

* ハイブリッドのサポート。計算の一部は CPU 上で実行されます。

入力パラメーター

queue

計算が実行されるデバイスキュー。

m

group_count パラメーター m_g パラメーターの配列。

m_g のそれぞれは、配列 a の行列 A_i 内でグループ g に属する行数を指定します (m_g ≥ 0)。

n

group_count パラメーター n_g パラメーターの配列。

n_g のそれぞれは、配列 a の行列 A_i 内でグループ g に属する行数を指定します (n_g ≥ 0)。

a

入力行列 A_i への batch_size ポインターの配列。各サイズは lda_g*n_g (g は A_i が属するグループのインデックス) です。

lda

group_count lda_g パラメーターの配列。各パラメーターは、配列 a からグループ g に属する入力行列 A_i の先頭次元を表します (lda_g ≥ max(1, m_g))。

group_count

パラメーターのグループの数を指定します。少なくとも 0 である必要があります。

group_sizes

group_count 整数の配列。インデックス g の配列要素は、パラメーター g のグループごとに解決する問題の数を指定します。したがって、解決する問題の合計数 batch_size は、すべてのパラメーター・グループ・サイズの合計になります。

scratchpad

ルーチンが中間結果を保存するスクラッチパッド・メモリー。

scratchpad_size

T タイプの浮動小数点要素数のスクラッチパッド・メモリーのサイズ。サイズは、geqrf_batch_scratchpad_size (グループバージョン) が返す値よりも小さくてはなりません。

events

計算を開始する前に待機するイベントのリスト。デフォルトでは空のリストになります。

出力パラメーター

a

配列 a が指す行列は、次のように因数分解データによって上書きされます。:

A_i の対角線上の要素には、min(mg,mng) 行 n_g 列の上台形行列 R_i が含まれます (mg ≥ ng の場合、R_i は上三角行列になります)。対角線の下の要素は、配列 tau_i とともに、min(mg,ng) 個の基本鏡映子の積として直交行列 Q_i を表します。

ここで、g は i 番目の分解に対応するパラメーター・グループのインデックスです。

tau

tau_i を格納するポインターの配列。各ポインターのサイズは min(m_g,n_g) で、基本鏡映子の積に分解された行列 Q_i の基本鏡映子を定義するスカラーが含まれます。

ここで、g は i 番目の分解に対応するパラメーター・グループのインデックスです。

例外

例外	説明
mkl::lapack::batch_exception	この例外は、計算中に問題が発生した場合にスローされます。例外オブジェクトの info() メソッドを使用して、問題の情報コードを取得できます。 info = -n の場合、n 番目のパラメーターの値が不正です。 info がスクラッチパッドのサイズとして渡された値と等しく、detail() がゼロ以外を返す場合、渡されたスクラッチパッドのサイズが十分ではなく、必要なサイズは例外オブジェクトの detail() メソッドによって返される値以上である必要があります。

戻り値

計算が完了したことを確認するために待機する出力イベント。