gebrd#

一般行列を二重対角形式にリデュースします。このルーチンは、oneapi::mkl::lapack 名前空間に属します。

説明#

このルーチンは、mn 列の一般行列 A を直交 (ユニタリー) 変換によって二重対角行列 B に縮小します。

m n の場合、縮小は次のように与えられます。

\[\begin{split}A = QBP^H = \left( \begin{array}{ccc} B_1 \\ 0 \end{array} \right) P^H = Q_1 B_1 P_H\end{split}\]

ここで、B1nn 列の上対角行列、QP は直交行列、または複素数 A の場合はユニタリー行列です。Q1Q の最初の n 列で構成されます。

m < n の場合、縮小は次のように与えられます。

A = Q*B*PH = Q*(B10)*PH = Q1*B1*P1H

ここで、B1mm 列の下対角行列、QP は直交行列、または複素数 A の場合はユニタリー行列です。P1P の最初の m 列で構成されます。

このルーチンは行列 QP を明示的に形成しませんが、それらを基本鏡映子の積として表現します。この表現の QP 行列を操作するルーチンが提供されています。

行列 A が実数の場合、

  • QP を明示的に計算するには、orgbr を呼び出します。

行列 A が複素数の場合、

  • QP を明示的に計算するには、ungbr を呼び出します。

API#

構文#

namespace oneapi::mkl::lapack { 
  void gebrd(sycl::queue &queue, 
  int64_t m, int64_t n, 
  sycl::buffer<T,1> &a, int64_t lda, 
  sycl::buffer<realT,1> &d, sycl::buffer<realT,1> &e, sycl::buffer<T,1> &tauq, sycl::buffer<T,1> &taup, sycl::buffer<T,1> &scratchpad, int64_t scratchpad_size) 
}

gebrd は次の精度とデバイスをサポートします。

T

サポートされるデバイス

float

CPU、GPU*

double

CPU、GPU*

std::complex<float>

CPU、GPU*

std::complex<double>

CPU、GPU*

*インターフェイスのサポートのみ。すべての計算は CPU 上で実行されます。

入力パラメーター#

queue

計算が実行されるデバイスキュー。

m

行列 A の行数 (0 m)。

n

行列 A の列数 (0 n)。

a

行列 A を保持するバッファー。a の 2 番目の次元は max(1, m) 以上でなければなりません。

lda

a の先頭次元 。

scratchpad

ルーチンが中間結果を維持するスクラッチパッド・メモリーを保持するバッファー。

scratchpad_size

タイプの浮動小数点要素の数であるスクラッチパッド・メモリーのサイズ。

サイズは、gebrd_scratchpad_size 関数が返す値以下であってはなりません。

出力パラメーター#

a

m n の場合、a の対角成分と最初の上対角成分は上二重対角行列 B によって上書きされます。対角線の下の要素は、バッファー tauq とともに、基本鏡映子の積として直交行列 Q を表します。また、最初の上対角線の上側の要素は、バッファー taup とともに、基本反射子の積として直交行列 P を表します。

m<n の場合、a の対角成分と最初の副対角成分は下二重対角行列 B によって上書きされます。最初の対角線の下の要素は、バッファー tauq とともに、基本鏡映子の積として直交行列 Q を表し、対角線の上側の要素は、バッファー taup とともに、基本鏡映子の積として直交行列 P を表します。

d

max(1, min(m,n)) 以上のサイズの配列を保持するバッファー。B の対角要素が含まれます。

e

max(1, min(m,n) - 1) 以上のサイズの配列を保持するバッファー。B の非対角要素が含まれます。

tauq

max(1, min(m, n)) 以上のサイズの配列を保持するバッファー。直交行列またはユニタリー行列 Q を表す基本反射子のスカラー係数。

taup

max(1, min(m, n)) 以上のサイズの配列を保持するバッファー。直交行列またはユニタリー行列 P を表す基本反射子のスカラー係数。

例外#

例外

説明

mkl::lapack::exception

この例外は、計算中に問題が発生した場合にスローされます。例外オブジェクトの info() メソッドを使用して、問題の情報コードを取得できます。

info = -i の場合、i 番目のパラメーターの値が不正です。

info がスクラッチパッドのサイズとして渡された値と等しく、detail() がゼロ以外を返す場合、渡されたスクラッチパッドのサイズが十分ではなく、必要なサイズは例外オブジェクトの detail() メソッドによって返される値以上である必要があります。