インテル® FLEXlm* ライセンス借用機能

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この記事は、インテル® ソフトウェア・ネットワークに掲載されている「Intel® FLEXlm* License Borrowing Capability」の日本語参考訳です。
概要

この機能を使用すると、ユーザーはライセンス・ホスト・サーバーから一定期間ライセンスを借用し、ネットワークから切断して、ライセンスサーバーに接続していない状態でも借用したライセンスを使用することができます。外出先などソフトウェアをオフラインで使用する場合に非常に便利です。

必要な情報

インテル製品のフローティング・ライセンスでライセンス借用機能を使用するには、以下のものが必要になります。

  1. 借用機能をサポートしている (各種 OS 用の) インテル® FLEXlm* ライセンス・マネージャー
  2. BORROW というキーワードが含まれているライセンスファイル
    • バージョン 2011 のインテル® ソフトウェア開発製品のライセンスは、借用機能に対応しています。デフォルトでは、借用期間は 7 日間です。
    • 2011 よりも古いバージョンのマルチユーザー・フローティング・ライセンス用の借用機能ライセンスを取得するには、インテル® プレミアサポートの [Submit Issues] で [Product Name] に [Download, Licensing and Registartion] を指定してリクエストを送信してください。
FLEXlm* ライセンス・マネージャー (サーバー) の借用機能の使用手順
  1. 新しい借用可能なライセンスファイルを使って、ライセンスサーバーを開始します。
  2. インテル® FLEXlm* ライセンスサーバーのログに、ライセンスファイルの BORROW キーワードに関するエラーがないことを確認します。
    • Windows* の場合、デフォルトでは次の場所にログファイルが作成されます: %ProgramFiles%\Common Files\Intel\FLEXlm
    • Linux* および Mac OS* X の場合、デフォルトでは FLEXlm* サーバーのインストール・ディレクトリーにログファイルが作成されます。

FLEXlm* サーバーが正常に開始されると、一般的なログファイルは次のようになります。

14:00:31 (lmgrd) US Patents 5,390,297 and 5,671,412. 14:00:31 (lmgrd) World Wide Web: http://www.macrovision.com 14:00:31 (lmgrd) License file(s): server.lic 14:00:31 (lmgrd) lmgrd tcp-port 28518 14:00:31 (lmgrd) Starting vendor daemons … 14:00:31 (lmgrd) Started INTEL (internet tcp_port 35860 pid 9309) 14:00:31 (INTEL) FLEXlm version 9.23 14:00:31 (INTEL) Server started on LicenseServer for: 14:00:31 (INTEL) I3F97C15E (consisting of:   ArBBL 14:00:31 (INTEL) CCompL    DbgL    FCompL 14:00:31 (INTEL) MKernL    PerfAnl    PerfPrimL 14:00:31 (INTEL) StaticAnlL    ThreadAnlGui    ThreadBB)

借用機能を使用するためのクライアント・システムのセットアップ (アプリケーション・セットアップ)

注: 「クライアント」とは、インテル® FLEXlm* フローティング・ライセンスのチェックアウト/チェックインを使用するアプリケーションを指します。

1) 使用しているオペレーティング・システムおよびアーキテクチャー用の lmutil を http://www.globes.com/support/fnp_utilities_download.htm からダウンロードします。

2) 上記の Web サイトから lmutil をダウンロードできない場合は、オペレーティング・システム、OS バージョン、アーキテクチャー (IA-32、インテル® 64、IA-64[インテル® Itanium®]) の情報とともに、インテルのサポート担当者までお問い合わせいただくか、インテル® プレミアサポート でリクエストを送信してください。

3) 次のコマンドを実行して、インテル製品のコンポーネントのライセンス (コンパイラー・プロフェッショナル・エディションや VTune™など) が借用できないことを確認します。1 つまたは複数の機能/コンポーネントが借用されたことを示す情報が出力された場合、その機能/コンポーネントに対して借用機能が有効化されています。以下は、借用機能が有効化されていない場合の出力例です。

lmutil lmborrow -status

例:
lmutil lmborrow -status
lmutil – Copyright (c) 1989-2009 by Macrovision Corporation. All rights reserved.

4) 借用期間と借用対象の FLEXlm* 機能を設定します。

lmutil lmborrow INTEL dd-mmm-yyyy:[time] <featurename> -c <serverlicense file>

例:
lmutil lmborrow INTEL 06-Oct-2011 CCompL -c server.lic

説明
server.lic は、サーバーの開始に使用されたライセンスファイルです。クライアント側のライセンスファイルが、サーバーの開始に使用されたものと異なる場合、ライセンスの借用に失敗します。

上記のコマンドは、ライセンスファイル server.lic を使って、ベンダー INTEL の CCompL (インテル® C++ コンパイラー Linux* 版) という機能を 2011 年 10 月 6 日まで借用します。

注: lmborrow コマンドラインで指定する日時は、借用終了日時です。168 時間 (最長借用期間) を超えないように設定してください。1、2 日だけ借用する場合は、対応する日時を指定します。
168 時間を越えてライセンスを借用することはできません。これは、ライセンスファイルとライセンスサーバーで設定されています。7 日以上の借用が必要な場合は、インテル® プレミアサポートの [Submit Issues] で [Product Name] に [Download, Licensing and Registartion] を指定し、理由を記入して送信してください。

このコマンドを実行すると、次のような出力が表示されます。

lmutil – Copyright (c) 1989-2004 by Macrovision Corporation. All rights reserved.
Setting LM_BORROW=3-oct-2011:INTEL:06-oct-2011:CCompL

5) ここまでの手順を正常に行うと、クライアント・アプリケーション (Composer XE、VTune™ Amplifier XE、Inspector XE など) を実行して、ライセンスを借用する準備が完了です。クライアント/アプリケーションを実行し、チェックアウトが成功すると、FLEXlm* 機能を借用できます。最初のライセンスがチェックアウトされると、次のようにサーバーのログファイルに借用された機能が記録されます。

14:35:14 (INTEL) OUT: “I3F97C15E” User1@Host1
14:35:14 (INTEL) OUT: “CCompL” User1@Host1

このサーバーのログには、対応する IN エントリーはありません。これは、通常のチェックアウト動作とは異なります。通常、サーバーのログファイルには、2 つの OUT エントリーに対して、アプリケーション終了後に 2 つの IN エントリーが続きます。

6) クライアント・システムで次のコマンドを実行して、FLEXlm* 製品機能が借用されていることを確認します。

lmutil lmborrow –status

インテル® C++ コンパイラー Linux* 版を借用する例:

lmutil lmborrow –status
lmutil – Copyright (c) 1989-2004 by Macrovision Corporation. All rights reserved.

Vendor Feature Expiration
______ ________ __________ INTEL CCompL 6-Oct-11 23:59

注: 借用期間が切れるまでは、ライセンスのチェックアウト時、常にローカルストレージから借用ライセンスが取得されます。製品を使用するクライアント・システムは、FLEXlm* ライセンス・ホスト・サーバーに接続されている必要はありません。

7) クライアント・システムをサーバー・ネットワークから切断します。これで、借用したライセンスを使って、ソフトウェア・アプリケーションを使用することができます。

注: 借用期間が切れると、ローカルストレージから製品ライセンスをチェックアウトできなくなります。この場合、製品ライセンスをチェックアウトするには、クライアント・システムを FLEXlm* ライセンス・ホスト・サーバーに接続してください。

8) 借用したライセンスを返却するには、次のコマンドを実行します。

lmutil lmborrow -return -c server.lic featurename

例:
lmutil lmborrow -return -c server.lic CCompL
lmutil – Copyright (c) 1989-2009 by Macrovision Corporation. All rights reserved.

FLEXlm* サーバーのログファイルに、返却された借用機能に対する次のようなメッセージが記録されます。このメッセージは、通常のチェックインのものとは異なります。

14:40:17 (INTEL) REMOVING User1@Host1:/dev/pts/0 from CCompL by administrator request.

14:40:17 (INTEL) IN: “CCompL” User1@Host1 (USER_REMOVED)
14:40:17 (INTEL) IN: “I3F97C15E” User1@Host1 (USER_REMOVED)

9) 次のコマンドを実行して、サーバーにライセンスが正しく返却されたことを確認します。

lmutil lmborrow -status

例:
./lmutil lmborrow -status
lmutil – Copyright (c) 1989-2009 by Macrovision Corporation. All rights reserved.

注: 借用していないライセンスを返却しようとすると、次のようなメッセージが表示されます。

./lmutil lmborrow -return -c server.lic CCompL
lmutil – Copyright (c) 1989-2009 by Macrovision Corporation. All rights reserved.
Error: CCompL not currently borrowed.

編集部追加

本記事では、インテル ソフトウェア開発製品のフローティング・ライセンスについて、より柔軟に利用できる方法を紹介しています。多人数での開発や、製品ユーザーが短期間で入れ替わる環境においてインテル ソフトウェア開発製品を導入される場合には、フローティング・ライセンスでの利用が推奨されます。ライセンス価格や導入方法に関するお問い合わせはエクセルソフト株式会社まで。

※ 製品は、使用者の責任において、製品の使用許諾書 (EULA) に基づくライセンスの範囲内にてご使用ください。

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