ハイパフォーマンス・コンピューティングがスマートシティーの可能性を開く

同カテゴリーの次の記事

ディープラーニングの 4 つの強力な特性

この記事は、インテル® IT Peer Network に公開されている「High Performance Computing Opens Possibilities for Smart Cities」の日本語参考訳です。


ハイパフォーマンス・コンピューティング (HPC) は、もはや政府機関や学術研究機関だけのものではありません。

世界中の HPC コミュニティー・メンバーとの会話の中で、私は常に新しい斬新な HPC アプリケーションにアイデアを得ています。これには、非常に複雑なワークロードを実行して膨大なデータを処理する人工知能 (AI) やハイパフォーマンス・データ解析に対するニーズが含まれます。これらの例は、この豊富なデータを活用して社会的問題に対応する現代および将来の AI/HPC アプリケーション向けに本格的な計算機能が必要であることを改めて強調しています。これは特に、モノのインターネット (IoT) 対応のスマートシティーにおいて顕著です。スマートシティーでは、HPC や HPC のような機能から大きな利点が得られます。

データの機会と課題

私は最近、インテルの IoT (新市場、スマートシティー、知的交通) グローバル・ゼネラル・マネージャーの Sameer Sharma と、IoT デバイスやその他のセンサーから得たデータを、道路、水路、空港、港、スポーツ施設、大学などの共有スペースのガバナンスに組込む、スマートシティーの未来を可能にする、彼のチームの取り組みについて話す機会がありました。取り組みの方向性を決定するため、Sameer のチームは都市生活の課題について世界中の人々から話を聞き、その結果、次の 3 つの課題が浮かび上がりました。

  • 安全性: 人々は安全であり、それを実感できることを望んでいます。
  • モビリティー: 人々は A 地点から B 地点 へ便宜的かつ効率良く移動できる必要があります。
  • 持続可能性: 人々は都市の環境への影響を管理したいと考えています。

Sameer のチームは、スマートシティーで生成されるデータとその生成方法をよく理解するため、スマートシティー分野で有名な調査会社の Harbor Research と協力しました。結果は驚異的でした。スマートシティーは 2020 年だけで合計約 16.5 ゼタバイトのデータを生成すると予測されます。1 ゼタバイトは 1 兆ギガバイト、あるいは万里の長城 (英語) に収まる 11 オンスのコーヒーカップの数とほぼ同じです。

個々の都市のデータ量は展開されるスマート・アプリケーションの組み合わせに依存しますが、各スマートシティーが対処すべきデータは膨大であると推測できます。将来的には、多くの都市が AI アルゴリズムを使用してこのデータを活用し、都市の運営を管理する可能性があります。しかし、データの規模と迅速なデータ分析の必要性から、この機会を最大限に活用するには HPC レベルの計算リソースが必要になります。

都市のモビリティーと安全性を実現する統合データ・プラットフォーム

世界中のさまざまなプロジェクトが、高性能計算を都市空間に統合することの可能性を明らかにしています。例えば、タイのバンコクでは、3 つの交差点にスマートカメラを設置し、これらのカメラから供給され、インテル® Core™ プロセッサー・ベースのシステムで実行されるリアルタイム追跡アルゴリズムによって、交通の流れを改善するように交通信号のタイミングを最適化しました。その結果、これらの交差点ではキューの長さが 30.5% 短縮され、 50,000 人以上の車両通勤時間が節約されました (英語)。

しかし、このようなカメラからのデータは、個々の交差点での使用に留めるべきではありません。エッジからの結果を使用して、マクロレベルで交通を最適化することもできます。ディープラーニング・アルゴリズムによる都市レベルの交通分析には、データセンター側で高性能な AI/HPC 統合システムを必要としますが、通勤の安全性とモビリティー、および都市計画において大きなメリットが得られます。カメラとセンサーの台数が多いほど、可能性は広がりますが、解析のため HPC リソースの必要性が高まります。

別の例として、ブラジルのリオデジャネイロでは、2016 年の夏季オリンピックに訪れた推定 500,000 人の観光客の安全性を確保するため 1,800 HD ビデオカメラを配備しました。このソリューションは、エッジ側の解析に Intel Atom® プロセッサーとインテル® Core™ プロセッサーを使用し、データセンター側の詳細な解析にはより高性能のインテル® Xeon® プロセッサー・ベースのシステムを使用しました。

このシステムは、毎日約 150 万件のビデオデータを処理して、スタッフによる遺棄物の検出と対応、および立ち入り禁止区域への不正アクセスの防止を支援しました。Sameer は、現在展開されている同様のシステムは、数年前は従来のデータセンターで行っていた解析を、インテル® Movidius™ Myriad™ X ビジョン・プロセシング・ユニット (VPU) などの電力効率の良い専用 AI アクセラレーターを使用してエッジ側で行うことができると述べています。また、今日の HPC システムは、ビルトインの AI アクセラレーター (インテル® ディープラーニング・ブースト) を備えた第 2 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーの利点を得ることができます。IoT センサーの数が増加するにつれて、データ解析のオーバーヘッドも増加し、インテル® アーキテクチャーの HPC 機能はますます重要になります。将来の HPC 展開により、AI/HPC 統合アプリケーションは、リオデジャネイロのソリューションのように、データの価値を最大限に引き出す新たな機会を得ることができます。

広がるスマートシティーと交通の未来

HPC 機能に対する市場と需要は、より多くの組織がデータを社会的利益に変える AI/HPC 統合ソリューションを採用するにつれて、拡大し続けるでしょう。2018 年時点で世界には、人口 500,000 以上の 1,100 を超える都市 (英語) と人口 100,000 以上 (英語) の数千の都市があるため、IoT 対応のスマートシティーは近い将来 HPC 分野において大きく新しいユーザーグループになる可能性があります。

IoT の HPC 計算の推進力はこれだけではありません。例えば、産業およびヘルスケア向け IoT システムも膨大な量のデータを生成し、データの解析には高い計算能力を要求します。これは多様な顧客基盤を確立するため取り組んでいる私たちにとってエキサイティングなときです。

このブログに貢献してくれた Sameer と彼のチームに感謝します。インテル® テクノロジーが従来または予想外の方法でイノベーションを可能にする方法の詳細は、インテルの HPCIoT 製品ポートフォリオを参照してください。

インテル® テクノロジーの機能と利点はシステム構成によって異なり、対応するハードウェアやソフトウェア、またはサービスの有効化が必要となる場合があります。実際の性能はシステム構成によって異なります。絶対的なセキュリティーを提供できるコンピューター・システムはありません。詳細については、各システムメーカーまたは販売店にお問い合わせいただくか、http://www.intel.co.jp/ を参照してください。

Intel、インテル、Intel ロゴ、Intel Atom、Intel Core、Xeon、Movidius、Myriad は、アメリカ合衆国および / またはその他の国における Intel Corporation またはその子会社の商標です。

© Intel Corporation

関連記事