インテル Parallel Universe 51 号日本語版の公開

AIインテル® oneAPI

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インテル Parallel Universe マガジンの最新号 (英語) が公開されました。

注目記事: SYCL* の事例

掲載記事



編集者からのメッセージ

oneAPI 誕生から 4年

2018年の Intel Architecture Day でインテル コーポレーションのチーフ・アーキテクトである Raja Koduri が oneAPI 業界イニシアチブを発表してから、4年が経ちました。彼は次のようにツイート (英語) しています。


「2018年の Intel Architecture Day で oneAPI を発表してから 4年。長い道のりを歩んできました。2020年のベータ版リリース以来、主要な HPC、AI、レンダリング・フレームワークから支持され、開発者による採用はほぼ 10 倍に拡大しました。さらなる進化への素晴らしい始まりです。」


oneAPI の 4 周年を記念して、本号では SYCL* と oneMKL や oneDPL などの oneAPI ライブラリーに注目します。注目記事「SYCL* の事例」では、現在の ISO C++ がヘテロジニアス並列処理には不十分である理由を概説します。一言で言えば、C++ にはアクセラレーター・デバイスの概念がないため、デバイスの検出、不連続メモリー、デバイス境界を越えた例外処理などの概念がありません。しかし、将来の C++ バージョンでは、ヘテロジニアスなハードウェアに対応していくと考えられるため、今後変更される可能性があります。ホストとデバイス間のデータ転送については、Parallel Universe 48 号の記事「oneAPI の maxloc リダクション」で取り上げました。SYCL* デバイス検出 API については、今後の記事で取り上げる予定です。「C++ Thrust アプリケーションを SYCL* と oneAPI DPC++ ライブラリー (oneDPL) へ移行する」では、オープンでベンダーに依存しないライブラリーを使用して、C++ コードを現代化および高速化する方法を説明します。「DPEcho: 2020 年代以降の SYCL* による一般相対論」では、 Salvatore Cielo 氏 (ライプニッツ・スーパーコンピューティング・センター)、Alexander Pöppl (インテル コーポレーション)、Luca Del Zanna 氏 (フィレンツェ大学)、および Matteo Bugli 氏 (トリノ大学) が重要な科学アプリケーションを SYCL* へ移行した方法を紹介します。

最近、Codeplay が GPU と AMD* GPU 向けの oneAPI プラグインをリリースしました。また、oneAPI によるオープンソースの高速コンピューティングという共有ビジョンを実現するため、ArrayFire* チームがインテルに加わりました (英語)。ArrayFire* オープンソース・プロジェクトは、The ArrayFire Mission に従って継続され、Google、Twitter、VoltronData、そしてインテルを含むさまざまな企業がスポンサーとなっているメンテナーによって管理されます。Parallel Universe の以前の記事「ArrayFire* と oneAPI、各種ライブラリー、OpenCL* の相互運用性」や「ArrayFire* と oneAPI による 2 次元フーリエ相関アルゴリズムの高速化」から、ArrayFire* は 1 つのコードでどこでも実行できる、ヘテロジニアス並列処理を実現する高水準の抽象化であることを記憶されている方もいらっしゃるでしょう。

Fortran、oneMKL、OpenMP*を使用して LU 因数分解を高速化」では、初心に帰り OpenMP* ヘテロジニアス並列ディレクティブを使用して、数学ライブラリー関数をアクセラレーターにオフロードし、ホストとデバイスのデータ転送を効率良く管理する方法を示します。

oneAPI を利用した AI アプリケーションにも目を向けます。「ACM RecSys Challenge 2022 のインテル® SIHG4SR ソリューション」では、この推薦システムコンテストで上位入賞を果たしたインテルのソリューションについて説明します。「薬の良し悪しを見分ける」では、AI リファレンス・キットの Visual Quality Inspection (英語) を紹介します。このエンドツーエンドのコンピューター・ビジョンとディープラーニング・パイプラインは、医薬品製造工程で不良錠剤を識別します。Stable Diffusion (文章による説明を画像に変換する、楽しくも本格的なディープラーニング・モデル) を PC で実行することに興味がある場合、「インテル® Arc™ GPU で TensorFlow* Stable Diffusion を実行する」は必読です。セットアップから実行までの手順が分かります。

コードの現代化、ビジュアル・コンピューティング、データセンターとクラウド・コンピューティング、データサイエンス、システムと IoT 開発、oneAPI を利用したヘテロジニアス並列コンピューティング向けのインテル・ソリューションの詳細は、intel.com/oneapi (英語) を参照してください。

Henry A. Gabb
2023 年 1 月

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