この記事は、インテル® デベロッパー・ゾーンに公開されている「Intel® Software Development tools integration to Microsoft* Visual Studio 2017 issues」の日本語参考訳です。
Microsoft* Visual Studio* 2017 Update 3 環境における、インテル® Parallel Studio 2017 および 2018 のインストールと統合に関して、お客様よりいくつかの問題をご報告いただいております。以下は、既知の問題とその回避方法です。インテルでは、現在これらの問題の修正に取り組んでいます。これらの問題の原因は、Visual Studio* 2017 Update 3 の新しい表示形式の変更に関連しています。
修正が提供されるまで、以下の回避方法に従ってください。修正が利用可能になり次第、この記事でご案内いたします。
対象環境: Microsoft* Windows*、Visual Studio* 2017
対象製品: インテル® Parallel Studio XE 2017 Update 4、インテル® Parallel Studio XE 2018 以上、インテル® System Studio Update 3 以上
問題の説明:
以下は、既知の統合問題のリストです。これらの問題は、Visual Studio* 2017 バージョン 15.3.3 とインテル® Parallel Studio XE/インテル® System Studio の次のバージョンで修正される予定です。インテル® Parallel Studio XE 2017 Update 4 やインテル® Parallel Studio XE 2018 などの現在利用可能なインテル® Parallel Studio XE/インテル® System Studio バージョンでは、まだこれらの問題が発生します。
Visual Studio* 2017 でインテル® コンパイラーを使用するには、Visual Studio* 2017 のインストール時に [ワークロード] タブで [C++ によるデスクトップ開発] (インテル® C++ コンパイラー の場合) または [C++ によるモバイル開発] (インテル® C++ コンパイラー for Android* の場合) を選択する必要があります。詳細は、こちらの記事を参照してください。
- インテル® Parallel Studio XE のインストールで Visual Studio* 2017 統合を選択するとインストーラーがハングアップして失敗する
- インテル® Parallel Studio XE/インテル® System Studio をアンインストールした後に Visual Studio* でエラーが発生する
- インテル® Parallel Studio XE/インテル® System Studio のインストール中に Visual Studio* 2017 のインストールが不完全であることを示すメッセージが表示される
- Windows® 10 での Visual Studio* 2017 バージョン 15.3 への統合
- インテル® Parallel Studio XE/インテル® System Studio の IDE 統合を Visual Studio* 2017 バージョン 15.3 へインストール/アップグレードするとインストール完了時にエラーが出力される
- Visual Studio* 2017 をアップグレードすると、既存の Visual Studio* 2017 統合が壊れる
#1 — インテル® Parallel Studio XE のインストールで Visual Studio* 2017 統合を選択するとインストーラーがハングアップして失敗する
一部のシステムでは、インテル® Parallel Studio XE のインストールで Visual Studio* 2017 統合を選択すると、インストーラーがハングアップして失敗します。この問題は、すべてのシステムで発生するわけではありません。修復しようとすると、「Microsoft* Visual Studio* 2017 の不完全なインストールが検出されました。」というメッセージが表示され、修復に失敗します。一部のケースでは、エラーやクラッシュなしでインストールが完了しますが、VS2017 統合はインストールされません。
回避方法: インテル® Parallel Studio XE 2017 Update 4 では、この問題に対する回避方法がありません。インテル® Parallel Studio XE 2017 Update 5 で次の回避方法に対応する予定です。インテル® Parallel Studio XE 2018 は、この回避方法に対応しています。
インテル® Parallel Studio XE のコンポーネントを手動で統合します。以下のすべてのファイルを対応するフォルダーから実行する必要があります。
- インテル® C++/Fortran コンパイラー IDE:
- <installdir>/ide_support_2018/VS15/Common Tools/*.vsix
- <installdir>/ide_support_2018/VS15/C++/*.vsix
- <installdir>/ide_support_2018/VS15/Fortran/*.vsix
- インテル® VTune™ Amplifier IDE: <installdir>/VTune Amplifier 2018/amplxe_vs2017-integration.vsix
- インテル® Advisor IDE: <installdir>/Advisor 2018/advi_vs2017-integration.vsix
- インテル® Inspector IDE: <installdir>/Inspector 2018/insp_vs2017-integration.vsix
- インテル® Debugger IDE: <InstallDir>/ide_support_2018/MIC/*.vsix
<InstallDir>/ide_support_2018/CPUSideRDM/*.vsix
インテル® Parallel Studio XE 2017 をご使用の場合は、2018 用のフォルダーではなく 2017 用のフォルダーを使用する必要があります。
例: ide_support_2017、VTune Amplifier 2017 など。
#2 — インテル® Parallel Studio XE/インテル® System Studio をアンインストールした後に Visual Studio* でエラーが発生する
インテル® Parallel Studio XE/インテル® System Studio の一部のみをアンインストールした場合、Visual Studio* 2017 でさまざまなエラーが報告されています。以下に例を示します。
- インテル® Parallel Studio XE/インテル® System Studio をアンインストールした後に Visual Studio* 2017 で C/C++ プログラムをビルドすると、次のエラーメッセージが出力される:
「ファイルまたはアセンブリ ‘Intel.Misc.Utilities, Version=18.0.15.0 Culture=neutral, PublicKeyToken=5caa3becd8c4c9ee’、あるいはその依存関係の 1 つを読み込めませんでした。指定されたファイルが見つかりません。」 - Visual Studio* 2017 の起動時に次のエラーメッセージが出力される:
「’IntelCommonPkg’ パッケージは正しく読み込まれませんでした。
構成の変更または別の拡張機能のインストールが原因で問題が発生している可能性があります。ファイル…」 - [ツール] > [オプション] > [Intel Compilers and Tools (インテル® コンパイラーおよびツール)] > [C++] または [Fortran] 以下にインテル® Parallel Studio XE/インテル® System Studio の次の項目が残る
- [General (全般)]
- [Compilers (コンパイラー)] ([Win32] タブが残っています)
- [Guided Auto Parallelism (ガイド付き自動並列化)]
- Visual Studio Installer を起動します。
- [詳細] ドロップダウンから [変更] を選択します。
- 画面右側の [概要] の下にある [個別のコンポーネント] を展開します。
- 「Intel(R) …」で始まるすべての項目と、[Common tools for Intel compiler projects] をオフにします。
- [変更] ボタンをクリックして変更を適用します。
- Visual Studio* 2017 を起動します。
- メニューから [ツール] > [拡張機能と更新プログラム] を選択します。
- 「Intel(R) …」で始まる残りの項目 (コンポーネント) をすべてアンインストールします。
- 「Intel(R) …」で始まる項目 (コンポーネント) が残っていないことを確認します。残っている場合は、アンインストールします。
#3 — インテル® Parallel Studio XE/インテル® System Studio のインストール中に Visual Studio* 2017 のインストールが不完全であることを示すメッセージが表示される
インストーラーにより VS2017 のインストールが不完全であることを示すメッセージが表示されます。例えば、Visual Studio* 2017 プロジェクトで使用するコンパイラーを切り替える [Use Intel C++ Compiler (インテル® C++ コンパイラーを使用)] メニューが表示されません。
回避方法: Visual Studio* 2017 を再インストールしてから、インテル® Parallel Studio XE/インテル® System Studio を再インストールしてください。
#4 — Windows® 10 での Visual Studio* 2017 バージョン 15.3 への統合
Visual Studio* 2017 バージョン 15.3 がインストールされている一部の Windows® 10 システムでは、Visual Studio* 統合を選択してインテル® Parallel Studio XE/インテル® System Studio をインストールしても、Visual Studio* の拡張機能マネージャー ([ツール] > [拡張機能と更新プログラム]) にインテルの拡張が表示されるだけで、ほかの項目が統合されません。
回避方法: Visual Studio Installer を起動して Visual Studio* を修復してから、インテル® Parallel Studio XE/インテル® System Studio を修復してください。
#5.1 — インテル® Parallel Studio XE/インテル® System Studio を Visual Studio* 2017 バージョン 15.3 へ統合するとインストール完了時に次のエラーが出力される
「Visual Studio* 2017 バージョン 15.3 統合が正しくインストールされませんでした。インテル® Parallel Studio XE/インテル® System Studio コンポーネントの一部が Visual Studio* 2017 で利用できない可能性があります。」
回避方法: すべてのコンポーネントは正常にインストールされているため、何もする必要はありません。
#5.2 — インテル® Parallel Studio XE/インテル® System Studio が統合された Visual Studio* 2017 をバージョン 15.3 以降にアップグレードするとインストール完了時にエラーが出力される
この問題は、次の場合に発生することが報告されています。
- Visual Studio* 2017 統合を選択してインテル® Parallel Studio XE 2017 Update 4、インテル® Parallel Studio XE 2018 Beta、またはインテル® System Studio 2017 Update 3 をインストールした後に、Visual Studio* 2017 を Update 3 (15.3.3) 以降に更新した場合
インテル® Parallel Studio XE 2018 のインストール完了時にこのエラーが出力された場合、Visual Studio* 統合は正しくインストールされていません。
回避方法
- 正しくインストールされなかったインテル® Parallel Studio XE/インテル® System Studio をアンインストールします。
- 問題 #2 の回避方法を実施します。
- 次のコマンドを含む .bat ファイルを作成して、インストールされている Visual Studio* 2017 のエディションごとに実行します。”root” はインストールされている Visual Studio* のエディションに応じて、変更してください。
例えば、Professional エディションの場合:
@echo off
rem root がインストールされている Microsoft* Visual Studio* 2017 のエディションに対応していることを確認してください。
set root="C:\Program Files (x86)\Microsoft Visual Studio\2017\Professional\ Common7\IDE\VC\VCTargets"
for /d /r %root% %%d in ("Intel C++ Compiler"*) do if exist "%%d" rmdir /s /q "%%d"
for /r %root% %%f in (Intel.*) do if exist "%%f" del "%%f" - インテル® Parallel Studio XE/インテル® System Studio を再インストールします。
#6 — Visual Studio* 2017 をアップグレードすると、既存の Visual Studio* 2017 統合が壊れる
インテル® Parallel Studio XE/インテル® System Studio が Visual Studio* 2017 またはそのアップデート・バージョンと統合されている場合、Visual Studio* 2017 をアップグレード (例えば、15.0 から 15.3.1、15.3.1 から 15.3.2 など) すると、次のようなさまざまな問題が生じます。
- インテル® C++ コンパイラーで C/C++ プロジェクトをビルドすると次のエラーが出力される:
「C:\Program Files (x86)\MSBuild\Microsoft.Cpp\v4.0\V140\Platforms\Win32\ PlatformToolsets\Intel C++ Compiler 18.0\Toolset.targets(127,5): エラー: ICInstallDir 変数を展開できません。[Platform Toolset (プラットフォーム・ツールセット)] が無効なバージョン番号に設定されている可能性があります。1>プロジェクト “ConsoleApplication1.vcxproj” のビルドが終了しました — 失敗。」 - プロジェクト・プロパティーが空になる
- [ツール] > [Intel Compiler (インテル(R) コンパイラー)] > [Code Coverage… (コードカバレッジ…)] からコードカバレッジを実行したときに、コードカバレッジ・レポートが表示されない
- Visual Studio* 2017 と統合されたインテル・ツールのその他の異常な動作
回避方法: Visual Studio* を終了して、インテル® Parallel Studio XE/インテル® System Studio を修復します。
ほとんどの問題の原因はすでに特定されており、Microsoft* に報告済みです。現在、次のアップデートですべての問題を修正するべく、Microsoft* と協力して取り組んでいます。
統合の問題と失敗の原因はほかにもあるかもしれません。インテルでは、すべてのケースを文書化して、詳細な原因分析のため Microsoft* に提供しています。
ここに記述されていない問題がある場合、またはここで紹介した回避方法で問題を回避できない場合は、インテル® デベロッパー・ゾーンのフォーラム (英語) または Online Service Center (英語) からMicrosoft* インストーラーのインストール・ログ・ファイルおよびエラーメッセージを添えてご連絡ください。
コンパイラーの最適化に関する詳細は、最適化に関する注意事項を参照してください。
