この記事は、インテルのブログで公開されている「Intel® Fortran Compiler Progress on Fortran 2023 and OpenMP」の日本語参考訳です。原文は更新される可能性があります。原文と翻訳文の内容が異なる場合は原文を優先してください。
インテル® Fortran コンパイラーにおける各種標準サポート
Fortran 2023 標準および OpenMP 標準の一覧表を参照してください。
インテル® Fortran コンパイラー開発チームが Fortran 2023 言語および OpenMP 機能に関する進捗を文書化してから、ほぼ 1 年が経ちました。ifx Fortran および OpenMP 機能の最新のリストは、インテル® Fortran コンパイラーの Fortran 言語と OpenMP* 機能ページで確認できます。
インテル® Fortran コンパイラーは、Fortran 2018 標準とそれ以前のすべての Fortran 標準をサポートしています。現在、Fortran 2023 の実装を進めており、これらの新機能については順調に進捗しています。次期リリースでは、型宣言文の RANK 句に関する F2023 機能の作業を完了させる予定です。また、半周に対応する F2023 三角関数もサポートする予定です。これらの F2023 機能は、すべての品質テストに合格すれば、次期リリースに搭載される予定です。これに加えて、約 100 件の修正、変更、および OpenMP 機能も追加される予定です。
Fortran 言語のサポートに加え、インテル® Fortran コンパイラーの Fortran 言語と OpenMP* 機能ページでは OpenMP 5.x および 6.0 の機能サポートについても説明しています。このページに記載されている機能は、現在のバージョン 2025.2.0 リリース時点のものです。2025.0.0 リリース以降のバージョンごとの機能が記載されており、2025.0.0 よりも前のバージョンは記載されていません。太字は新規サポートを示すもので、太字の「〇」は特定のリリースにおける新機能を示します。
修正、変更、新機能、および編集番号
インテルは、2025年6月末にインテル® Fortran コンパイラー 2025.2.0 をリリースしました。2025年8月中旬現在、次のアップデート・リリースに向けて機能と修正の実装作業を進めています。次のアップデート・リリースには、バージョン 2025.2.0 から約 100 件以上の「編集」が含まれる予定です。「編集」とは、修正、または大規模な修正、機能追加、変更の一部です。オリジナルの 2025.0.0 リリースと比較すると、次のアップデート・リリースには約 380 件以上の「編集」が含まれることになります。
特定のコンパイラー・リリースに含まれる「編集番号」は、ifx -what オプションを使用して追跡できます。例えば、ifx -V -what オプションを使用すると、コンパイラーの詳細なビルド情報 (-V) と編集情報 (-what) の両方を出力できます。
ifx -V -what hello.f90
Intel(R) Fortran Compiler for applications running on Intel(R) 64, Version 2025.2.0 Build 20250605
Copyright (C) 1985-2025 Intel Corporation. All rights reserved.
Intel(R) Fortran 25.0-1485上記の例では、-V オプションによってバージョン (2025.2.0) とビルド日 (20250605) が表示されています。-what オプションは、<メジャーバージョン>-<編集番号> の形式で編集情報を提供します。この例では、25.0-1485 であり、これはメジャーバージョン 25 の編集番号 1485 を意味します。修正またはサブ修正がチェックインされるたびに、編集番号は増加します。編集番号は、メインの開発ブランチにおける個々の変更を追跡します。特定のメジャーバージョン内のアップデート間で編集番号を比較することで、アップデート間で追加された修正、変更、および機能を大まかに把握できます。ただし、編集番号は、そのメジャーバージョン内でのみ有効です。例えば、バージョン 2024.x で -what オプションによって表示される編集番号と、バージョン 2025.x の編集番号には関連性はありません。
さらに、編集番号は ifx の Fortran フロントエンド (FFE) に追加された機能のみを追跡します。フロントエンドは、Fortran および OpenMP 言語の解析とセマンティック解析を提供します。ただし、FFE に追加された言語機能、修正、変更に加えて、ifx のコンパイラー・バックエンドには、編集番号には反映されない最適化、デバッガー機能、オフロードの改善など、多くの改善が加えられています。これらのコンパイラー・サブコンポーネントは、ifx -what オプションでは確認できない独自の開発追跡メカニズムを使用しています。
バージョン番号と編集番号は、コンパイラー開発の進捗を追跡するために使用されます。インテル® Fortran コンパイラー開発チームは、今後もメジャーリリースおよびアップデート・リリースで ifx の改良を継続していきます。また、各リリースで OpenMP 5.x および 6.0 のサポートを強化するとともに、さらに多くの Fortran 2023 言語機能を追加していきます。インテル® Fortran コンパイラー開発チームが以前から表明しているように、ifx は進化し続けるコンパイラーです。各アップデートで、フロントエンドの安定性、バックエンドのパフォーマンスを向上させるとともに、エラーや警告メッセージの改善、その他細かな変更を行っています。これらの改善を最大限に活用するため、ifx のインストールを最新の状態に保つことを推奨します。インテル® Fortran コンパイラーへのご支援とご関心に感謝いたします。
