インテル® VTune™ プロファイラー・ユーザーガイド
Android* システムでインテル® VTune™ プロファイラーを使用して、Java* 解析を有効にするために必要な設定を調べます。
デフォルトでは、インテル® VTune™ プロファイラーは、--jitvtuneinfo=src オプションを使用して、ターゲットの Android* デバイスにリモートコレクターをインストールします。ルート化されたデバイスの Java* プロファイル・オプションを変更するには、vtune-androidreg.bat (Windows*) または vtune-androidreg.sh (Linux*) スクリプトで --jitvtuneinfo=[jit|src|dex|none] オプションを使用してターゲットに手動で再インストールする必要があります。次に例を示します。
Windows*:
<install-dir >\bin32\vtune-androidreg.bat --package-command=install --jitvtuneinfo=src
Linux*:
<install-dir >/bin{32,64}/vtune-androidreg.sh --package-command=install --jitvtuneinfo=src
インテル® VTune™ プロファイラーは /data/local.prop ファイルを次のように更新します。
コンパイル済みトレースに関する基本情報: root@android:/# cat /data/local.prop dalvik.vm.extra-opts=-Xjitvtuneinfo:jit
JIT コードから Java* ソースコードへのマッピング、およびコンパイル済みトレースに関する基本情報: root@android:/# cat /data/local.prop dalvik.vm.extra-opts=-Xjitvtuneinfo:src
JIT コードから DEX コードへのマッピング、およびコンパイル済みトレースに関する基本情報: root@android:/# cat /data/local.prop dalvik.vm.extra-opts=-Xjitvtuneinfo:dex
JIT データ収集 (オプションを指定しないと、デフォルトでは JIT 収集は無効です): root@android:/# cat /data/local.prop dalvik.vm.extra-opts=-Xjitvtuneinfo:none
さらに、Dalvik JVM* が命令スケジュールをサポートする場合、dalvik.vm.extra-opts の最後に -Xnoscheduling を追加してそれを無効にします。次に例を示します。
root@android:/# cat /data/local.prop dalvik.vm.extra-opts=-Xjitvtuneinfo:src -Xnoscheduling
現在 Java* 解析には、インストルメント済みの Dalvik JVM* が必要です。第 4 世代インテル® Core™ プロセッサーで動作する Android* システム、または ART と Dalvik Java* を使用する Android* システムは、JIT プロファイルをサポートするように設計されていません。これらのシステムでは、--jitvtuneinfo=N を指定する必要はありません。
logcat 出力 (adb logcat *:S dex2oat:I) に --generate-debug-info オプションがある場合、コンパイラーはこのオプションを使用します。
ソースレベルの解析を有効にするには、インテル® VTune™ プロファイラーは解析されたバイナリーファイルのデバッグ情報を必要とします。デフォルトでは、ART コンパイラーは Java* コードのデバッグ情報を生成しません。利用シナリオに応じて、ART コンパイラーがデバッグ情報を生成する方法を選択できます。
Android* 6.0 Marshmallow 以前のリリースでは、次の例の --generate-debug-info オプションを --include-debug-symbols に置き換える必要があります。
説明 |
実行 |
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.apk ファイルとしてインストールされたサードパーティー・アプリケーション、またはシステム・アプリケーションをプロファイルします。 |
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プライベート・アプリケーションの事前最適化が有効である場合 (device.mk で設定された LOCAL_DEX_PREOPT:=true)、Android* イメージをリビルドして .apk または .jar ファイルとしてインストールされたすべてのアプリケーションをプロファイルします。 |
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プライベート・アプリケーションの事前最適化が無効である場合 (device.mk で設定された LOCAL_DEX_PREOPT:=false) に、Android* イメージをリビルドして、.apk または .jar ファイルとしてインストールされたすべてのアプリケーションをプロファイルします。 |
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dalvikvm 実行形式ファイルによって実行されるアプリケーションをプロファイルします。 |
コンパイラー・オプション --generate-debug-info の後に -Xcompiler-option を追加します。アプリケーションがまだコンパイルされていないことを確認します。
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システムとコアクラスをプロファイルします。 注Java* コアクラスが /data/dalvik-cache/ サブディレクトリーにコンパイルされる場合、この操作が必要です。製造元により異なるディレクトリーに配置されることもあります。事前コンパイルされた boot.oat ファイルが /system/framework/x86 に配置される場合、Java* コアクラスはデバッグ情報を使用して再コンパイルできないため解決されません。 |
システムのプロパティー dalvik.vm.image-dex2oat-flags を --generate-debug-info に設定して再コンパイルします。
システムクラスがコンパイルされる前にアプリケーションを実行する場合は、別のコンパイラー・オプション -Ximage-compiler-option --generate-debug-info を追加する必要があります。
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