Windows* でのプロジェクトの移行

コマンドラインの使用

vcxproj プロジェクトの移行

プロジェクトが Microsoft* Visual Studio* を使用している場合、--vcxprojfile オプションを使用して移行するプロジェクトを指定できます。インテル® DPC++ 互換性ツールは、入力ファイルとして提供されるファイルを移行します。以下に例を示します。

  1. 以下のいずれかの方法で Vector Add サンプルを開きます。

    1. oneapi-cli ユーティリティーを使用して、[Intel® DPC++ Compatibility Tool] カテゴリーからサンプルを選択します。

    2. GitHub* からダウンロードします: https://github.com/oneapi-src/oneAPI-samples/tree/master/Tools/Migration (英語)。

  2. サンプル・プロジェクトのルートに移動します。

    1
     dpct --vcxprojfile=vector-add.vcxproj --in-root=./ --out-root=output_proj src\vector_add.cu
    

    上記のコマンドは、vector-add.vcxproj に含まれる src\vector_add.cu を移行します。移行の結果は、output_proj フォルダーに生成されます。

    -または-

    1
    dpct --vcxprojfile=vector-add.vcxproj --in-root=./ --out-root=output_proj
    

    上記のコマンドは、vector-add.vcxproj で見つかったすべての関連ファイルを移行します。移行の結果は、output_proj フォルダーに生成されます。

Microsoft* Visual Studio* の使用

Microsoft* Visual Studio* IDE からインテル® DPC++ 互換性ツールを使用して、プロジェクトを DPC++ プロジェクトに移行できます。

ステップ 1: 既存のプロジェクトの選択と移行の開始

Microsoft* Visual Studio* の既存のプロジェクトを選択して移行を開始するには、次の操作を行います。

  1. [拡張機能] メニューから [Browse Intel® oneAPI Samples] を選択します。

  2. [Intel® DPC++ Compatibility Tool] カテゴリーから [Rodinia NW DPCT] を選択します。

  3. [プロジェクト] メニューから [Migrate Project to DPC++] を選択します。

  4. [Select Project to Migrate] ダイアログで [Browse] をクリックします。

  5. [Open] ダイアログでディレクトリーと既存のプロジェクト・ファイルを選択します。

  6. 移行する [Configuration][Platform] を選択します。

  7. [OK] をクリックします。

ステップ 2: 移行設定の指定

既存のプロジェクトを選択すると、[Migration Configuration] ダイアログが表示されます。これらの設定にはデフォルト値があります。新しいプロジェクト・ファイル名とディレクトリー、--in-root 引数、移行の追加オプションを含む設定を指定できます。コマンドライン領域は読み取り専用で、プロジェクトの移行に使用されるコマンドラインが表示されます。[OK] をクリックすると移行が開始します。

ステップ 3: ソースの正当性の検証

プリプロセッサー・ディレクティブを使用して宣言された変数を使用するソースコードの移行を核にします。移行されたソースコードを確認し、インテル® DPCT により警告が出力された場合は対処し、新しいプログラムの正当性を検証してください。最も正確で詳細な警告の対処法については、サンプルの README ファイルの「Addressing Warnings in the Migrated Code (移行されたコードの警告の対処法)」を参照してください。

警告の出力

インテル® DPC++ 互換性ツールは、コードを DPC++ に準拠させるため、または正しいコードにするため、ファイルの移行時に注意が必要なコード領域を示します。生成されるソースファイルにコメントが挿入され、出力に警告として表示されます。特定の警告の意味については、「診断のリファレンス」を参照してください。以下に例を示します。

1
2
3
/path/to/file.hpp:26:1: warning: DPCT1003:0: Migrated API does not return error code. (*,0) is inserted. You may need to rewrite this code.
// source code line for which warning was generated
^

ステップ 4: 詳細な診断メッセージの確認

診断メッセージの詳細を確認するには、[Intel® DPC++ Compatibility Tool] ビューのテーブルにある [Actions] カラムの [Help] ハイパーリンクをクリックします。診断メッセージが生成された理由と問題を解決するための情報が表示されます。

オプションの指定

Microsoft* Visual Studio* でインテル® DPC++ 互換性ツールを使用するための設定を指定できます。

  • 移行後に常に警告を表示するには、次の操作を行います。

    1. [ツール] > [オプション] > [Intel® DPC++ Compatibility Tool] > [General] を選択します。

    2. [Always show warnings after migration] オプションを [True] (デフォルト) にします。

    3. [OK] をクリックします。

  • コードを並べて表示するには、次の操作を行います。

    1. [ツール] > [オプション] > [Intel® DPC++ Compatibility Tool] > [General] を選択します。

    2. [Enable opening code side-by-side] オプションを [True] (デフォルト) にします。

    3. [OK] をクリックします。

  • ツールのバージョンを選択するには、次の操作を行います。

    複数のバージョンのインテル® DPC++ 互換性ツールがインストールされている場合、使用するバージョンを選択できます。

    1. [ツール] > [オプション] > [Intel® DPC++ Compatibility Tool] > [Tools] を選択します。

    2. 上記のステップのドロップダウン・メニューからツールの適切なバージョンを選択します。

    3. (オプション) デフォルトのオプションを選択します。

    4. [OK] をクリックします。