インテル® Media Server Studio 2016 の新機能

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この記事は、インテル® デベロッパー・ゾーンに公開されている「2016 Release: What’s New in Intel® Media Server Studio」の日本語参考訳です。


リアルタイム 4K HEVC エンコードの実現と安定した AVC/MPEG-2 デコードを保証

HEVC エンコードのパフォーマンスが 1.1 倍、品質が 10% 向上したインテル® Media Server Studio 2016 は、インテル® Xeon® プロセッサー E3 プラットフォーム・ベースのインテル® Visual Compute Accelerator と一部のインテル® Xeon® プロセッサー E5 プラットフォーム1 において、ブロードキャスト品質のリアルタイム 4K HEVC エンコードを実現できるように、トランスコード・ソリューション・プロバイダーを支援します。

また、分割されたコンテンツをシームレスに処理することで、AVC および MPEG-2 デコードの安定性を高めます。メディア・トランスコードを高速化する新機能については、以下の説明を参照してください。

強力なインテル® プロセッサーとインテル® Media Server Studio により、インテルはメディア処理アクセラレーションおよびクラウドベースのテクノロジーのリーダーとして、メディア・ソリューション・プロバイダー、ブロードキャスター、メディア/インフラストラクチャー開発者がメディア・アプリケーション、OTT/ライブ・ビデオ・ブロードキャストのパフォーマンス、効率、品質を革新し、進化できるように支援します。


HEVC (H.265) パフォーマンスと品質を 10% 向上、高度な GPU 解析の使用/帯域幅軽減

Professional Edition

  • 以前のバージョンと比較してパフォーマンスが 1.1 倍、品質が 10% 向上したことで、メディア・ソリューション開発者は、インテルの HEVC ソフトウェア・ソリューションとインテル® Visual Compute Accelerator (インテル® VCA) 1 (http://www.intelserveredge.com/intelvca、英語) を使用して、GPU アクセラレーション HEVC エンコーダーにより、一部のインテル® Xeon® E5 プラットフォーム 1 上でブロードキャスト品質のリアルタイム 4K HEVC エンコードを実現することができます。

  • デブロッキング・フィルター (DBF) やサンプル・アダプティブ・オフセット (SAO) ワークロードのようなインループフィルターを GPU へオフロードすることで、HEVC GPU アクセラレーション・パフォーマンスを向上できます (以前のバージョンでは、これらのフィルターは CPU で実行されていました)。

    図 1. バージョン 2015 R7 と比較してビデオ・コーディング効率が最大 10% 向上するバージョン 2016 は、迅速な革新を可能にします。一部のインテル® Xeon® プロセッサー E5 プラットフォーム上でのリアルタイム 4K30 エンコードに加えて、バージョン 2016 では、前世代のインテル® Core™ i7 プロセッサーおよびインテル® Xeon® プロセッサー E3 プラットフォーム上でリアルタイム 1080p50 エンコードが可能です。

    **4:2:0、8 ビット 1080p コンテンツの HEVC ソフトウェア/GPU アクセラレーション・エンコード品質とパフォーマンス。品質データは、ISO HM14 (“0%”) のベースラインであり、Y-PSNR BDRATE 曲線を用いて算出されています。パフォーマンスは、低ビットレート (平均 3.8Mbps) から高ビットレート (平均 25Mbps) の範囲の 4 つのビットレートの平均です。

    詳細は、ホワイトペーパー「Deliver High Quality and Performance HEVC via Intel® Media Server Studio (インテル® Media Server Studio により高品質とハイパフォーマンスを実現)」(英語) を参照してください。

  • インテル® VTune™ Amplifier XE の進化により、CPU および GPU コンカレンシー解析、ハードウェア・メトリックによる GPU 使用状況解析、GPU アーキテクチャー・ダイアグラムなどを利用して、開発者は簡単にOpenCL* およびインテル® Media SDK により最適化されたアプリケーションのグラフィックス・プロセッサーの使用状況を理解することができます。

  • 対象領域 (ROI) ベースのエンコードで HEVC コーデックを使用する場合、ROIにのみほかの領域よりも詳細な情報を保持するように最小限の圧縮を適用することで、帯域幅を軽減できます。この機能は、ビデオ会議アプリケーションで役立ちます。エンコード中に異なる ROI を指定する mfxExtEncoderROI 構造をアプリケーションで設定し、初期化時またはランタイムに使用します。

  • ビデオ会議

    特別にチューニングされた低遅延 HEVC モードのテレビ会議により、人や会議をより迅速に繋ぎます。

  • 8K 向けの革新

    4K 解像度のエンコーディング・ストリームだけでなく、インテル® Media Server Studio 2016 の HEVC コーデックは、ソフトウェア・エンコーダーと GPU アクセラレーション・エンコーダーの両方で 8K をサポートしています。


高度な AVC (H.264) および MPEG-2 デコード/トランスコード

  • 高度な第 5 世代のグラフィックスおよびメディア・アクセラレーターとカスタム・ドライバーにより、ハードウェア・アクセラレーションを利用することで、インテル® Xeon® プロセッサー E3 v4 プラットフォーム上 (またはインテル® VCA 利用)1 で 1 ソケットあたり最大 16 HD AVC ストーリムのリアルタイム高品質トランスコードを実現できます。

  • インテル® Iris™ グラフィックス搭載の第 4 世代インテル® Core™ プロセッサーでは、最大 12 HD AVC ストリームが可能です。

  • 改善された AVC エンコード品質を BRefType MFX_B_REF_PYRAMID に利用できます。

  • 破損したストリームの処理と失敗エラーのリターンにおいて、AVC および MPEG2 デコーダーの安定性がさらに強化されています。安定性の向上、破損した出力の回復、分割されたコンテンツのシームレスな処理により、AVC および MPEG-2 デコードを確実に行うことができます。高度なエラーレポートにより、開発者がデコードエラーを簡単に見つけ、解析できます。

    図 2: バージョン 2016 では、ハードウェア・スケジューリング・アルゴリズムの改善により、バージョン 2015 と比較して H.264 のパフォーマンスを 40% 向上できます。

    **この図は、インテル® クイック・シンク・ビデオ (multi_transcode コードサンプル) を使用して、単一の H.264 ソースファイルから複数の H.264 エンコードを行った結果です。各ポイントは 4 つのストリームと 6 つのビットレートの平均で、エラーバーはストリームとビットレートのパフォーマンスの変化を示します。ターゲット使用率 7 (TU7) が最高速 (最低品質) の操作ポイントです。

    [1080p 50 コンテンツは media.xiph.org/video/derf/ から取得。crowd_run、park_joy (入力 30mbps、出力 5、7.1、10.2、14.6、20.9、30mbps)。in_to_tree、old_town_cross (入力 15mbps、出力 2.5、3.5、5.1、7.3、10.4、15mbps)]。

    構成: AVC1→N マルチビットレート同時トランスコード、1080p、TU7 プリセット、インテル® Core™ i7-4770K プロセッサー @ 3.50GHz ** 1080p マルチビットレート・チャネル数。


その他の新機能と拡張機能

  • インテル® SDK for OpenCL* Applications for Windows* に、カーネル開発向けの新機能が追加されました。

  • すべてのレート制御モード (CBR、VBR、AVBR、ConstQP) とすべてのプロファイル (MAIN、MAIN10、REXT) において、すべての品質プリセット (ターゲット使用率 1 ~ 7) で CTB レベルのデルタ QP 値がサポートされました。

  • 汎用 P および B コントロールを使用することで、IPPP..P ストリームのエンコードが可能です (帯域幅の制限に対応するため B フレームがドロップされます)。

  • H.264 エンコードは ARGB サーフェス (画面/ゲームからキャプチャー) と YUY2 サーフェスをネイティブに使用することで、前処理オーバーヘッドを軽減 (インテル® Media SDK による RGB4 から NV12 へのカラー変換処理を排除) し、画面キャプチャーのパフォーマンスを向上します。

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